作成者別アーカイブ: 岡田益己

もみ殻培地の作り方教室

2015年1月27日

下記により、もみ殻培地と不織布を使った簡易高設栽培ベッドの作り方教室を開催します。
もみ殻培地を使うと、誰でも簡単に野菜や花を栽培できます。
詳しくは、当ホームページ「野菜畑のレシピ」→「イチゴの簡単高設栽培」および「もみ殻培地で野菜や花を育てよう」をご覧ください。

日時:2015年3月10日(火)および11日(水) 14:00~16:00
場所:岩手大学農学部
受講者数:各日10名程度

詳細は、岡田までメールでお問い合わせください(mokアットマークiwate-u.ac.jp)
アットマークを@に変えてください。

夏イチゴの集会のお知らせ

2014年12月8日

園芸振興班では、岩手なつあかり研究会と協力して、三陸における夏イチゴ生産の普及に取り組んでいます。岩手なつあかり研究会主催の会合を下記の要領で開催します。今回は、洋菓子店と生産者が意見交換しながら、夏イチゴによる町作りと村作りを考えます。会員以外の方も参加できますので、希望者は末尾の連絡先までご一報ください。

日時:2015年1月13日(火) 16~18pm
場所:岩手大学農学部2号会議室(2号館1階)
会終了後に市内で懇親会を開きます。

連絡先:岩手大学農学部 岡田益己 mok(アットマーク)iwate-u.ac.jp
(アットマークを@に変えてください)

ミニカリフラワーをさらに小さく収穫する“姫かりふ®

最近、玉径が10cmくらいの小型のカリフラワーを店頭で見かけます。味が良く、大きさも手頃で売れ筋になってきました。

このミニ系の品種を小さいうちに収穫すると、さらに味が濃厚で、食感が良く、煮崩れしにくくなります。私たちがお奨めするサイズは6~8cmです。これを“姫かりふ”と呼ぶことにしました。「姫かりふ®」は岩手大学の登録商標です。東日本大震災からの復興を目的に被災地で生産する場合、岩手大学の承諾を得れば、この商標を無償で使うことができます。詳しくは、下記の連絡先までお問い合わせください。

これがお奨めサイズ

これがお奨めサイズ

姫かりふの栽培にはミニ系の品種を使います。私たちが使っている品種は、サカタのタネの美星とオレンジ美星です。128セルのトレイに播種して、1ヶ月ほどで畑に定植します。条間25cm×株間25cm程度で植え付けて、約2ヶ月後に収穫します。三陸沿岸では3月下旬に播種すると、6月下旬に収穫できます。早春の播種では、低温で花芽が異常に早く分化しないよう、ハウス内でトンネル被覆してください。夏~初秋に収穫する栽培では、1週間ごとに播種すると、切れ目なく出荷できます。秋~初冬向けの栽培では、2週間ごとに播種します。三陸の露地栽培では8月下旬が播種の晩限です。12月初旬までに姫サイズに育つと、その後は低温でほとんど大きくなりません。冬のあいだに寒さに当って、甘みが増します。この”寒締めカリフラワー”には美星が向いているようです。

夏は虫除けと暑さ対策を兼ねて、防風ネットや寒冷紗の被覆がお奨め

夏は虫除けと暑さ対策を兼ねて、防風ネットや寒冷紗の被覆がお奨め

イチゴの高設栽培用ベッドを利用して、株間10cmで栽培

イチゴの高設栽培用ベッドを利用して、株間10cmで栽培

連絡先: 岩手大学農学部 岡田益己 mok(アットマーク)iwate-u.ac.jp
(アットマークを@に変えてください)

 

田野畑村で夏イチゴの勉強会を開催

2014年10月31日

10月22日に田野畑村アズビィ楽習センターで、「“三陸で夏イチゴを作ろう” in 田野畑」を開催しました。生産、流通、行政などの関係者が、岩手県と青森県から約40名集まりました。夏イチゴの品種・栽培技術、流通、販売等について学ぶとともに、これから三陸で夏イチゴ生産をどう発展させるかについて、熱心に討論しました。プログラムはこちら

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生産者が持ち寄ったイチゴの試食会

生産者が持ち寄ったイチゴの試食会

田野畑で夏イチゴ出荷開始

2014年8月20日

田野畑村の鈴木さんのハウスで収穫が始まりました。鈴木さんは菌床シイタケをハウスで生産してきましたが、原発事故の風評被害で価格が低迷し、今年から夏イチゴにチャレンジしました。初心者でも取り組めるもみ殻培地の高設栽培装置をシイタケ栽培の棚に作りました。タイマーで水をやるだけだから、勤めに出ながらイチゴを栽培できると喜んでいます。

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ケーキ用に早どりしたものを選果しています

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シイタケ栽培用の棚を利用して高設栽培

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これまで花を摘んで収穫をおさえてきたから、今は果実がたわわに実っています 

 

クッキングトマトを育てよう

2013年4月26日

  • なぜクッキングトマト

津波で被災した田畑に、周辺から多くのがれきが流入した。そのがれき除去のために栄養に飛んだ表土が一緒に持ち出された田畑が多い。私たちが陸前高田市でお借りした畑も、表土がなく深土がむき出しだった。しかもこの深土は、雨が降ると柔らかいぬかるみになり、乾くとクギを手で刺させないほど硬くなる。こんな土でも育つ作物として、適応力の大きな根を持つトマトに着目した。そのなかでも未経験者が容易に栽培できるクッキングトマトを選んだ。トマトにも多くの種類があるが、生食用トマトやミニトマトは全国にも県内にも産地が多々あって競争が激しい。また収量を上げたり、果実を美味しくするには技と経験も必要だ。沿岸は消費地から遠いので日持ちのするクッキングトマトがよいという流通関係者のおすすめもあった。なんと言ってもクッキングトマトは、これから消費拡大が期待される注目株だ。

トマト畑_web

支柱を立てずに栽培できるクッキングトマト

  • 試験を始めた

クッキングトマトの主力品種「なつのこま」や「にたきこま」は、盛岡市にある東北農業研究センターの育成品種である。また新たに芯止まり系の早生品種「すずこま」もデビューした。そこでこれら3品種を陸前高田で栽培することにした。岩手大学のハウスで育苗した苗を2012年6月13日に現地に定植した(野菜畑通信をご覧ください)。定植の適期は5月下旬だが、畑の準備が遅れてしまった。ベッドの幅を1mとし、「なつのこま」と「にたきこま」は1条植え、「すずこま」は2条植えで、株間は50cmである。試験区は、「化学肥料だけ」、「化学肥料+堆肥」、「堆肥+廃菌床」、「堆肥だけ」、「廃菌床だけ」の5つである。

トマト植え付け_web

「なつのこま」、「にたきこま」(奥)は1条植え
「すずこま」(手前)は2条植え

  • 収穫の結果

定植が遅れたため、収穫は8月2日から始まった。「すずこま」は花房が1段で芯が止まるため、8月いっぱいで収穫を終えた。「なつのこま」「にたきこま」は9月末まで収穫できそうだったが、都合で9月6日に打ち切った。このため下の図では「すずこま」に比べて収量が少ない。収穫の結果は予想通り、肥料をやればあの土でもトマトを採れることが分かった。堆肥を加えるとさらに収量が安定しそうだ。廃菌床は肥料と同じような効果があるが、単独では今一のようだった

収量_図

株当たりの収量 (すずこまは2株当たり)