作成者別アーカイブ: 岡田益己

夏イチゴ「2017年の作柄」検討会のお知らせ

2017年12月21日

2017年の夏は7月はじめの高温,8月の低日照・低温と異常な天候に悩まされました。とくに三陸沿岸では極端な低日照と長雨で、野菜作や稲作などが大きな影響を受けました。夏イチゴも例外ではなく、収量や品質が大きく低下しました。この夏を振り返って、夏の気象と作柄の関係、対策技術の効果、実需者による品質評価などを議論します。また懸案事項となっているなつあかりの開花株の確保についても検討したいと考えます。生産者、イチゴの利用者など、皆さんの参加をお待ち申し上げます。

日時: 2018年1月17日(水)13:00~16:00
場所: 岩手大学農学部1号館2階1号会議室

検討内容:
1.今夏の気象の特徴  概要説明 岡田益己(岩手大学)
2.作柄の検討
- すずあかね、なつあかりなど品種別、収穫時期別の作柄
- 有効だった対策,効果のなかった対策など
- イチゴの利用者の品質評価や要望など
3.なつあかりの開花株の増殖と確保について
4.その他

情報交換会:18時〜 盛岡市内 会費4000円程度

参加希望者は、本サイトの「お問い合わせ」から、「氏名、所属または職業、連絡先(メール、電話)、情報交換会の出欠」を記してお申し込み願います。申込締切は1月10日(水)です。

主催:岩手大学三陸復興・地域創生推進機構園芸振興班、岩手なつあかり研究会

「姫かりふ®」築地デビュー

2017年11月7日

田野畑村で作った姫かりふ®が築地のお店に並びました。
以下は,10月まで村の支援に携わり,今は築地に戻られた渡辺さんのコメントです。

「1回20〜30袋(2ケ入)の少量ではありますが、これまで2度出荷し両日、即完売。店舗側からはもっとくれ!と催促されています。本日3度目の品が到着していますが、これも完売の見込みです。
ポイントはやはり、かわいらしさと実用性。
見た目は勿論ですが、食べきりサイズというのが実は、かなりの高評価につながっているようです。都会の人(地方もですが…)は料理を面倒がって作らない、故に出来合い品(惣菜)が売れるとは良く言われますが、同時に(冷蔵庫等に)半端な料理や食材を残しておきたくないという人がとても増えているのですね」

姫かりふ®は岩手大学の登録商標です。使用をご希望の方は,当サイトの「お問い合わせ」ページにてご連絡ください。

店頭の姫かりふ(渡辺貴氏 写真提供)

もみ殻培地の混合土の課題と対策

2017年9月20日

このサイトでもみ殻培地は,安くて簡単に様々な作物を育てられると紹介しました。とくに夏どりイチゴの高設栽培用として,もみ殻を容積比で75%,小粒の赤玉を25%混合し,これに炭の粉を3%程度加え,肥効調節型肥料(エコロング)を使う培地を奨めてきました。しかし,この組成の培地をいろいろな場面で使ってみると,いくつかの課題も明らかになってきました。ここでは次の2点について,対策を考えます。
● 水持ちが悪い
● 微量要素欠乏が出やすい

1.水持ちが悪い
イチゴの高設栽培では「活着が悪い」,トマトのポット育苗では「育ちが悪い」(一方で「しまった良い苗ができる」)という声が聞かれます。これは保水力が小さいためで,とくに雨風にさらす年月が短いもみ殻で起こりやすい。頻繁に灌水すればよいですが,そういうわけにもいきません。
保水力を高めるためには,1)赤玉の割合を増やす,2)赤玉より小粒の土を使うという2つの方法があります。赤玉の割合を増やす場合は,最大でも40%程度にとどめてください。これ以上増やすと,軽量で通気性が良いというもみ殻の長所が損なわれてきます。2)の方法では,赤玉よりずっと小粒(顆粒状)の土,例えば,水稲育苗用の粒状培土(肥料が少し入っていますが,その影響は小さい)を使います。土の割合が同じ25%でも,小粒だと容積当たりの土の重量が増え,結局,土の割合を増やすことになります。下の写真は,粒状培土と赤玉(小粒)の比較です。水稲育苗の覆土用培土は無肥料なので,粒状培土より良さそうですが,微量要素欠乏が出やすいのでお奨めしません(次項を参照)。
粒状培土を使うときは,ほんの少し水を加えて湿らせてから,もみ殻と混合してください。乾いたまま混ぜると,もみ殻と分かれてしまい,うまく混ざりません。加える水の量は,粒状培土の容積の5〜10%です。加減を見ながら加えてください。

左:赤玉(小粒)を使ったもみ殻培地, 右:水稲育苗用覆土を使ったもみ殻培地

 

2.微量要素欠乏が出やすい
水稲育苗の覆土用培土を25%混ぜたもみ殻培地で,高温の時期にトマトをポットで育苗したところ,鉄とホウ素の欠乏と見られる症状が多発しました。同様の培地でトマトを高設栽培しても,同じ症状が出ました。下の写真をご覧ください。ホウ素欠乏は,先端葉が黄化したりエビのように巻いて小葉化します。一見,ウィルスと見間違う症状です。こうした微量要素欠乏症は,これまでのイチゴ栽培では気づかなかった症状ですが,イチゴに比べて生長が旺盛なトマトで明らかになりました。生長が遅いと,炭からゆっくりと供給される微量要素で間に合いますが,生長が早いと間に合わないようです。
欠乏の原因は,使用している土にありそうです。覆土用培土は高温で焼成しアルカリの強い土です。一応,pH調整はしていますが,金属イオンの吸収が阻害されやすいようです。実は,赤玉も水稲育苗用の粒状培土も熱を加えているので,このような症状が起こりやすいと考えます。この対策には,1)焼いていない山土や畑の深土を使う,2)微量要素を含むエコロングトータルを使うという2つの方法があります。なおエコロングトータルには,石灰が入っていないので,炭を必ず加えてください。
なお欠乏症の現れ方は,作物や品種によって大きく異なります。同じトマトでも,大玉系とミニトマトを比べると,前者の方が発生しやすいようです。

トマト苗の鉄欠乏症

高設栽培トマトのホウ素欠乏症

「姫かりふ® 」現地栽培研修会(陸前高田)のご案内

2017年5月31日

 「姫かりふ®」は、通常、12~15cmで収穫するミニ系のカリフラワーを4~8cmで収穫する早どりのカリフラワーです。中身が詰まって食感が良く、味も濃く、少人数の家族にちょうど良い大きさです。レストランや消費者から「早く売り出してほしい」と期待されています。カリフラワーの出荷が難しい夏にも、涼しい三陸沿岸では簡単に作れます。また冬の寒さに当てると、甘くて美味しい“寒締め姫かりふ”になります。この新しい野菜を栽培したい方を対象にした研修会を下記の要領で開催します。

日時:6月9日(金) 13時〜15時
場所:岩手県陸前高田市竹駒町の生産者(佐々木輝昭氏)の畑
-   雨天のときは、近くのハウスで座学
-   詳細は、参加申込者に別途お知らせします
研修の内容
1.「ひっぱりくん」による移植実演と栽培のポイント
2.姫かりふの作型と収穫時期
-    講師:岡田益己(岩手大学三陸復興・地域創生機構 客員教授)
参加申込み
本ホームページの「お問い合わせ」タグをクリックして、そのフォームでお申し込み願います。題名に“姫かりふ参加申込み”と、また本文には職業または所属を記してください。折り返し、参加受付の返事をお送りします。定員を10名程度とし、先着順に受け付けます。希望者多数の場合は、お断りすることもあります。ご了承ください。参加費は無料です。

主催:岩手大学三陸復興・地域創生機構 三陸復興部門 園芸振興班

「姫かりふ®」は、岩手大学の商標登録です。東日本大地震の被災市町村で生産する場合は、無償で商標を使用できます。

「姫かりふ® 」現地栽培研修会のご案内

2017年4月27日

「姫かりふ®」は、通常、12~15cmで収穫するミニ系のカリフラワーを4~8cmで収穫する早どりのカリフラワーです。中身が詰まって食感が良く、味も濃く、少人数の家族にちょうど良い大きさです。レストランや消費者から「早く売り出してほしい」と期待されています。カリフラワーの出荷が難しい夏にも、涼しい三陸沿岸では簡単に作れます。また冬の寒さに当てると、甘くて美味しい“寒締め姫かりふ”になります。詳しくはこちらをご覧ください。この新しい野菜を栽培したい方を対象にした研修会を下記の要領で開催します。

日時:5月13日(土) 13時〜15時
場所:岩手県久慈市大川目町の生産者のハウス
ーーー詳細は、参加申込者に別途お知らせします
研修の内容
1.「ひっぱりくん」による移植実演と栽培のポイント
ーーーーー講師:加藤一幾(東北大学大学院農学研究科 准教授)
2.姫かりふの作型と収穫時期
ーーーーー講師:岡田益己(岩手大学三陸復興・地域創生機構 客員教授)
参加申込み
このホームページの「お問い合わせ」タグをクリックして、そのフォームでお申し込み願います。題名に“姫かりふ参加申込み”と、また本文には職業または所属を記してください。折り返し、参加受付の返事を差し上げます。定員を10名程度とし、先着順に受け付けます。希望者多数の場合は、お断りすることもあります。ご了承ください。参加費は無料です。

主催:岩手大学三陸復興・地域創生機構 三陸復興部門 園芸振興班

「姫かりふ®」は、岩手大学の商標登録です。東日本大地震の被災市町村で生産する場合は、無償で商標を使用できます。

研究会「夏に食べたいイチゴを作って運んで売る」を開催します

2017年3月3日

夏イチゴの生産には冬イチゴとは異なる品種が利用され、品質も違います。冬イチゴ品種の多くは生食用で甘く果実も大きいが、夏イチゴ品種は小粒で酸味が強いものが多く、洋菓子などの需要が大半です。品種による味や硬さ、収穫ピークなどの違いも、冬イチゴ以上に大きいように感じます。また高温期の出荷のため、品質保持や輸送も課題となっています。一方、生食以外の需要がその多くを占めることから、実需者のニーズも様々です。そこで生産者と実需者、栽培・育種技術者などを集めて、相互の意見・情報交換を計り、より適切な生産・販売の仕組み作りに役立てます。

日時: 2017年3月16日(木)14:00~17:00
場所: 岩手大学農学部5号館総合教育研究棟1階 遠隔講義室
検討内容:
1.夏イチゴの品種と特徴 いつどんなイチゴが作られるか:
—概要説明 由比進氏(岩手大学)
2.夏に食べたい・手に入れたいイチゴ
—洋菓子店レストラン、市場が望む、品種、品質(形、大きさ、味、色、硬さなど)、価格、荷姿・・・
3.生産側の事情
—品種の作りやすさ、栽培に適する時期、収穫のピークや変動・・・
4.流通上の問題(とくに三陸沿岸の課題)
—どこに運ぶか、便はあるか、荷痛みしないか・・・

情報交換会:18時〜 盛岡市内 会費4000円程度

参加申し込み:
以下をこのホームページの問い合わせフォームでお送りください。
1.氏名
2.職業(自営の方)または会社名・所属機関(勤務の方)
3.連絡先(メール、電話)
4.情報交換会の出欠

主催:岩手大学三陸復興・地域創生推進機構園芸振興班、岩手なつあかり研究会

今年もライ麦を播きました

2016年11月13日

10月25日にがんちゃんの野菜畑にライ麦を播きました。
11月8日にかわいい芽が出ていました。

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夏にミレット、冬にライ麦を栽培して、マサ土の畑土が軟らかく、水はけも良くなってきました。
もう一息で良い畑になりそうです。

もみ殻培地セミナー 開催のお知らせ

2016年10月20日

岩手大学では初心者でも夏秋どりイチゴの栽培にも取り組めるように、もみ殻培地と不織布を使った高設栽培装置を開発しました。この培地や栽培装置が、冬春どりイチゴやトマト、葉菜類の栽培にも使われるようになりました。今回は、実際にもみ殻培地を使っているユーザーと一緒により適切な使い方を考えます。もみ殻培地の開発者である明治大学の小沢聖氏やもみ殻培地の面白い性質を研究している岩手大学の松嶋卯月氏のお話も伺います。これからもみ殻培地を使ってみたい方も是非参加ください。

日時:平成28年11月9日(水) 14:00〜17:00
場所:岩手大学農学部1号館2階 1号会議室
講演:
「もみ殻培地誕生話」
-   小沢 聖氏 (明治大学農学部特任教授)
「もみ殻培地と砂漠のオアシス −灌水・施肥の考え方−」
-   松嶋卯月氏 (岩手大学農学部准教授)

意見交換:
「もみ殻培地の長所短所 −培地を上手に使うには−」

セミナー終了後、市内で情報交換会(会費4〜5千円程度)を開催します。

参加申し込み:
以下をこのホームページの問い合わせフォームでお送りください。
1.氏名
2.職業(自営の方)または会社名・所属機関(勤務の方)
3.情報交換会の出欠
4.装置見学(後述)の希望の有無
申込みは10月31日(月)までにお願いします。

当日の13時頃より岩手大学内のもみ殻培地高設栽培装置を見学できます。夏に栽培したイチゴとクッキングトマトの残骸ですが、装置の仕組みをご覧になりたい方は、上記でお申し込みください。後日、詳細をお知らせします。

畦畔のタイムが満開です

2016年5月12日

昨年植えた花々が賑やかになってきました。
今はタイム ロングカウリスが満開です。

20160512

セダムやクローバー(写真手前)も元気です。
アジュガ(ジュウニヒトエ)やオブリエッタ(ムラサキナズナ)も咲いていますが,シカに食べられたり冬の凍上の影響などで株が大分減ってしまいました。
代わりにミントを植えてみました。

クッキングトマトを秋どりするコツ

2015年12月25日

「クッキングトマトは,お盆の頃に一斉にとれてしまって」という生産者のグチをよく耳にします。この夏には,「お盆過ぎから9月末まで,トマトを使った限定メニューを出したい」というレストランからの注文もありました。園芸振興班ではこの数年間,陸前高田の野菜畑で,種まきの時期や品種を変えて,収穫期を広げる方法を試みてきました。

早生品種「すずこま」を3月下旬から4月上旬にハウスで種まきし,4月下旬から5月上旬に畑に植えると,7月初中旬から収穫することができます。ところが種まきや植え付けを遅らせても,収穫期を遅くすることはなかなか困難でした。6月や7月に植えると暑さで小さいうちに花が咲いてしまいます。収穫期は多少遅くなりますが,収量が大幅に減ります。おまけに雨の多い時期の定植だから,多湿による活着の遅れや病気が追い打ちをかけて,昨年まではまともなデータがとれなかった。

今年(2015年)は幸い7月に雨が少なく,遅い植え付けの苗も順調に育って,例年になくきれいなデータがとれました。7月定植(6/17播種,7/16定植)は,6月定植(5/12播種,6/11定植)に比べて収量が50〜60%に減りましたが,収穫のピークが6月定植で8月下旬,7月定植では10月まで遅れることが分かりました。とくに品種“なつのこま”のピークは,10月中旬から11月初旬でした。“なつのこま”は暑さや多湿に弱いので,これまで高温期に定植すると,ほとんど育たずに終わってしまいました。この時期を乗り越えれば,本来の特性を発揮するようで,どうやら“なつのこま”を“あきのこま”と呼ぶ方がよいかもしれません。

7月中旬に定植すると10月に収穫できる

7月中旬に定植すると10月に収穫できる

今年の秋は暖かかったという印象が強く,そのためではないかと思うかも知れませんが,陸前高田の気象を見る限りそうではありません。9月と10月の平均気温は,2013年が17.8℃,2014年が16.0℃,2015年は16.2℃でした。秋どりのコツは,畑の水はけを良くして6月,7月の梅雨時に苗をうまく活着させ,その後の病害対策などの管理をしっかりすることです。また秋の低温下で果実の肥大と着色を進めるために写真のような割繊維不織布(商品名:ベタロン)によるべたがけをお奨めします。定植時から被覆すれば,遮光,虫除け,雨よけの効果も期待できます。生育初期の暑さ対策を重視するなら,目合いが1mm程度の防風網や寒冷紗がお奨めです。よく使われる長繊維不織布(パオパオ等)では,夏の高温による悪影響が出ます。

割繊維不織布で虫除け,雨よけ,生育促進,果実肥大・着色を図る

割繊維不織布で虫除け,雨よけ,生育促進,果実肥大・着色を図る

植え付けを遅らせると収量は確実に下がります。だから2条植えの方が良いと考えられますが,2条植えにすると果実が小さくなったり,株当たりの収量が1条植えの半分以下に減ることもあります。この傾向はとくに“すずこま”で顕著でした。畑に余裕があれば,欲を出さずにベッドを広々と使ってください。