作成者別アーカイブ: 岡田益己

三陸の園芸振興と小口物流に関する研究会のご案内

2021年2月21日

 東日本大震災で甚大な被害を受けた三陸地域の農業では、沿岸特有の気候を活かした多様な園芸生産の振興が期待される。しかし生産規模の小ささや物流の不便さから、市場認知度の高い量産品目に生産流通が偏り、地域の個性や付加価値をアピールできる多様な品目が広がらない。中山間地域も同様の課題を抱えており、地域や生産者の個性の活かし方を模索している。そこで本研究会では、生産者と消費者を結ぶ活動を続ける「東北食べる通信」編集長の成影沙紀氏の話を伺う機会を設けました。奮ってご参加ください。

1.開催日時  2021年3月19日(金) 16 時~18時

2.主催:岩手大学・地域創生モデル事業「三陸農業振興」グループ
  後援:陸前高田食と農の森、岩手なつあかり研究会

3.会場(どちらか一方を選択)
  (1)岩手大学農学部総合教育研究棟1階7号講義室
   岩手県盛岡市上田三丁目18-8
  (2)オンライン会場 Zoomによるオンラインミーティング 

4.研究会日程
1)講演 16:00〜17:00
  「作りながら伝えてほしい 〜食べる通信から見た“生産”以外の生産者の役割〜」
  (株)ポケットマルシェ 東北食べる通信 編集長 成影沙紀
 2)意見交換 17:00〜18:00

5.対象
農家・農業関係者、実需者、流通関係者、農林水産行政関係者、大学・試験研究機関関係者

6.参加費 無料

7.参加申込
会場への参加またはzoom会議によるオンライン参加が可能です。
2021年3月12日(金)までに、下記連絡先まで、職業(所属先)と氏名及び参加方法の別(会場かオンラインか)を記載して申し込んで下さい。オンライン参加の場合は必ずEmailアドレスを記載してください。メールにてzoomミーティングに招待いたします。
岩手大学会場では換気の徹底、マスク着用と間をあけての着席、参加者の記録などの新型コロナウイルス対策措置を実施します。ご協力をお願いいたします。また発熱や体調不良の場合は参加をご遠慮願います。

8.連絡先
岩手大学農学部食料生産環境学科  松嶋卯月
TEL/FAX 019-621-6183  e-mail: uzuki(アットマーク)iwate-u.ac.jp
(アットマーク)を@に変えてメール送信願います

三陸沿岸の冬作は凍害に注意

2021年1月25日

 気候学の教えによれば、一般に沿岸は内陸に比べて夏涼しく冬温かい。このため園芸作に適すると言われ、全国的にも海岸に近い地域で園芸生産が盛んです。ところが三陸沿岸の冬の温度の特徴を調べたところ、三陸には特異的に凍害リスクの高いエリアがあることが分かったので、注意喚起します。

 三陸各地のアメダス気温と盛岡の気温を比べました。冬は内陸に比べて日平均気温や日中の最高気温が高く、温かい傾向がありました。しかし岩手県沿岸北部の久慈や普代など最低気温が内陸の盛岡と同じくらい低いところがありました。植物には軽い寒さに遭うと、さらに厳しい寒さに備えて生長を止めて耐凍性を高める能力があります。初冬に温かい日が続くと生長を続けて耐凍性が弱まり、その後に急に寒さが来ると凍害を受けやすくなります。

 下の図は冬に初めて凍害を起こすような低温(-5℃)が訪れる直前10日間の平均最高気温です。この値が大きいほど凍害リスクが大きいことを意味します。三陸の中で久慈から山田にかけた一帯では、凍害リスクが内陸の盛岡よりもはるかに大きいことが分かりました。この一帯では冬に日中の天気が良く、最高気温が上がります。一方で夜間も天気が良いので、放射冷却で最低気温が下がります。釜石以南の沿岸南部も天気が良いですが、最低気温があまり下がらないので、凍害リスクはそれほど高まりませんが、それでも内陸の盛岡に近い値だから注意が必要です。詳しくはこちらの論文をご覧ください。

 凍害リスクの大きい地域でハウスやトンネルで葉物野菜などを栽培する場合は、冬が近づいたら昼の温度が上がらないようハウス・トンネルの換気を行い、耐凍性を高めることが重要です。

姫かりふ®の作型と収穫期

2020年12月22日

三陸沿岸の3地点(久慈、宮古、大船渡)の気温データを使って姫かりふの収穫期を予測したので、参考資料として掲載します。

陸前高田の現地圃場で実施した栽培試験結果を解析して、気温の経過から収穫期を予測するモデルを作りました(詳しくはこちら)。このモデルで各地30年間の収穫期を移植日ごとに求めました。表では中央値±25%の範囲(平均的な50%の年の範囲)を「収穫期の目安」として示しました。また「最早」と「最晩」は30年間で最も早い年と最も晩い年です。セル苗の移植を想定していますが、春の早い移植では不時出蕾の危険性が高いので、4月15日以降の移植日を対象とします。品種は姫かりふに適するオレンジ美星と美星(サカタのタネ)です。表1は露地栽培を、表2は窓を開放した雨よけハウス栽培を、表3は寒い時期にべたがけやトンネルを併設した保温ハウスを想定しました。

「収穫期の目安」に示す期間の幅が小さく、さらに「最早」と「最晩」に示す日付が「目安」に近いほど、年々の変動が少なく計画性の高い生産が可能なことを示します。4月から8月までの移植では、収穫期の年々変動が小さく、計画的な生産ができることが分かります。しかし9月以降の移植では、沿岸の北部から次第に変動が大きくなります。例えば、久慈で9月1日にオレンジ美星を移植して露地栽培すると、11月中には収穫が可能ですが、9月15日移植では最も寒い年に4月まで収穫できないという予測です。わずか2週間の遅れが年々の変動を大幅に拡大します。一方、大船渡で保温ハウスを使えば、10月1日移植のオレンジ美星を年内に収穫できます。冬を越す作では凍害を受けやすいので、できるだけ年内に収穫期を迎えるよう作付けすることがポイントです。

2品種のなかでオレンジ美星が美星(白色)よりも早生です。高温期(7, 8月)の出荷ではオレンジ美星の色は淡いクリーム色に変わります。気温が氷点下3〜5℃程度に下がると花蕾に凍害が発生します。美星の方がオレンジ美星よりも凍害に強い(花蕾が凍結しにくい)傾向がありますが、冬期の栽培では日中のハウス気温の上昇を抑えて、花蕾の耐凍性を高める必要があります。

三陸の園芸振興と小口物流に関する研究会のご案内

2020年10月6日

3月に開催を計画し、新型コロナウィルスの感染拡大のために中止となった研究会を下記の要領で開催することになりました。奮ってご参加ください。

【趣旨】東日本大震災で甚大な被害を受けた三陸地域は、気候を活かした園芸振興による農業復興が期待されている。しかし、個々の農家の生産規模が小さいため出荷ロットがまとまらず、かつ交通条件が悪いことが販売を困難にしている。このような状況は沿岸地域にとどまらず、中山間地域における課題でもある。そこで本研究会では、近年拡大傾向にあるインターネットを利用した農産物流通に着目し、ネット上での消費ニーズの捉え方、生産情報の伝え方などについて検討し、小口物流現場での応用に資する。

1.日時
2020年10月16 日(金) 14 時~17 時30分

2.主催:岩手大学・地域創生モデル事業「三陸農業振興」グループ
  後援:岩手なつあかり研究会,陸前高田食と農の森

3.会場(どちらか一方を選択)
  (1)岩手大学 北桐ホール
岩手県盛岡市上田三丁目18-8
(2)オンライン会場 Zoomによるオンラインミーティング 

4.研究会日程
  開会の挨拶
1)基調報告(ビデオレター)   14:05~14:45
  「演題:消費者が求める農産物とは?~データで考えるこれからの方向性」
       オイシックス・ラ・大地株式会社 阪下利久(インターネットによる遠隔参加)
2)事例報告   14:45~15:45
  「演題:地方だから出来るターゲットを絞った一次産品販売」
       (有)秀吉 渡邉里沙
  「演題:農業で地域を活かす流通を考える」
       特定非営利活動法人 LAMP  松本玄太
3)総合討論   15:55~17:25
  コーディネーター 佐藤和憲(東京農業大学,インターネットによる遠隔参加)
  パネリスト 阪下利久,菊地利正(アースコーポレーション) ,松本玄太,三上恒史(アートファーム),渡邉里沙

  閉会の挨拶

5.対象
農家・農業関係者、食品流通・物流関係者
農林水産行政関係者
大学・試験研究機関関係者

6.参加費 無料

7.参加申込
会場への参加またはzoom会議によるオンライン参加が可能です。
2020年10月12日(月)までに、下記連絡先まで、職業(所属先)と氏名及び参加方法の別(会場かオンラインか)を記載して申し込んで下さい。オンライン参加の場合は必ずEmailアドレスを記載してください。メールにてzoomミーティングに招待いたします。
また,本研究会では換気の徹底、マスク着用と間をあけての着席、参加者の記録などの新型コロナウイルス対策措置での実施についてご協力をお願いいたします。また発熱や体調不良の場合は参加をご遠慮願います。

8.連絡先
岩手大学農学部食料生産環境学科  松嶋卯月 
TEL/FAX 019-621-6183  e-mail: uzuki(アットマーク)iwate-u.ac.jp 
 (アットマーク)を@に変えてメール送信願います

研究会「夏イチゴの品種と作型を考える」

2020年2月15日

東北農業研究センターの本城正憲氏に,最近育成した「そよのか」や「盛岡37号」の紹介を交えて,品種と作型について基調講演していただきます。その後,生産者による品種の評価や実需者の要望について意見交換します。この会に引き続いて小口物流の研究会が開催されます。次に掲載のお知らせ記事をご覧ください。

日時:2020年3月5日(木)12:30〜13:50
場所:岩手大学農学部1号館2階 1号会議室
基調講演(12:30〜13:00):本城正憲氏(東北農研)
意見交換(13:00〜13:50)

主催:岩手なつあかり研究会
共催:岩手大学三陸復興・地域創生機構園芸振興班

参加申し込み
職業(所属)と氏名を記してメールで下記に申し込みください
岩手大学 岡田益己 email: mok(アットマーク)iwate-u.ac.jp
(アットマーク)を@に置き換えてください

陸前高田 食と農の森 1周年記念講演のお知らせ

2019年12月20日

陸前高田市の若手営農者グループ「陸前高田 食と農の森」の設立から1年が経ちました。1周年を記念して講演会を開催します。皆さんお誘いあわせてご参加ください。

演題:農家発イノベーション 〜気候変化への適応と有機農業

講師:小林和彦博士(東京大学農学生命科学研究科 名誉教授)

  • 「イノベーションで経済成長を」などとよく言われるが、イノベーションが生まれ育つ過程をまじめに議論することは少ない。今回私は、気候変化への適応と有機農法の開発について、農家が始めたイノベーションがどう広まったのかをご紹介し、それから学べることを参加者の皆さんと考えたい。事例としては、北海道の畑作、秋田と長野のリンゴとモモ、栃木の有機稲作である。陸前高田でもイノベーションが生まれ育つ一助となれば幸いである。

会場:陸前高田市 総合営農指導センター 2F 研修室 (米崎町字川崎 238-1)

日時:令和2 年 1 月 15日(水) 14:00~17:00

  • 総会 14:00~
  • 講演受付 14:30~
  • 講演・Workshop 15:00~
  • 注)一般参加者は 14:30~となります

参加無料  申し込み期限 講演前日 15:00

お名前 市町村名 職業(所属) 連絡先 記入のうえ申込は下記まで

  • FAX: 0192‐47‐3289
  • mail: rt.syokutonounomori@gmail.com

主催:陸前高田食と農の森

  • 市内で営農する若手生産者グループ
  • 本会の目標: 食産業などとのコラボによる地域の活性化を
  • 会員募集中!!

共催:岩手大学三陸復興・地域創生推進機構 園芸振興班

106 急行バス(宮古→盛岡)で夏イチゴの輸送が始まる

2018年7月7日

7月6日、宮古市で生産したイチゴを盛岡市の洋菓子店に、岩手県北バスの106急行で運ぶ試みが始まりました。

夏に涼しい三陸沿岸は夏イチゴをはじめ、高品質の野菜栽培に適していますが、内陸の都市部へのの輸送が課題です。県内産のイチゴを使いたいという盛岡の洋菓子店タルトタタンに、沿岸の夏イチゴ生産者を紹介したものの、宅配が値上がりしたために、速く安く運ぶ手段に頭を痛めていました。宮古と盛岡間の路線バスに混載できないかと、岩手県北バスに打診したところ快諾を得ました。生産者が宮古営業所に保冷バッグに入れたイチゴを持ち込み、洋菓子店は店舗近くの停留所で受け取ります。保冷バッグと空箱は帰りの便で生産者に戻ります。7月16日から週3日の定期輸送を始め、収穫が終わる10月頃まで続けます。これまで夏は販売していなかったイチゴのショートケーキが店頭に並びます。

相対の取引だから生産者と実需者の双方に価格的なメリットがあるだけでなく、実需者のニーズに合わせて生産者が計画的な栽培をできること、一般市場経由に比べて鮮度の高い果実を入手できること、梱包材を節約できることなど、お互いに多くのメリットがあります。

こうした輸送手段を他の品目や他の地域間でも利用できれば、個性的な少量品目の販路が広がると期待されます。

試験輸送の第1便が到着

バス停で受け取って工場に運ぶ

真っ赤なイチゴが直送

夏季限定プレミアムショートケーキ

夏イチゴ「2017年の作柄」検討会のお知らせ

2017年12月21日

2017年の夏は7月はじめの高温,8月の低日照・低温と異常な天候に悩まされました。とくに三陸沿岸では極端な低日照と長雨で、野菜作や稲作などが大きな影響を受けました。夏イチゴも例外ではなく、収量や品質が大きく低下しました。この夏を振り返って、夏の気象と作柄の関係、対策技術の効果、実需者による品質評価などを議論します。また懸案事項となっているなつあかりの開花株の確保についても検討したいと考えます。生産者、イチゴの利用者など、皆さんの参加をお待ち申し上げます。

日時: 2018年1月17日(水)13:00~16:00
場所: 岩手大学農学部1号館2階1号会議室

検討内容:
1.今夏の気象の特徴  概要説明 岡田益己(岩手大学)
2.作柄の検討
- すずあかね、なつあかりなど品種別、収穫時期別の作柄
- 有効だった対策,効果のなかった対策など
- イチゴの利用者の品質評価や要望など
3.なつあかりの開花株の増殖と確保について
4.その他

情報交換会:18時〜 盛岡市内 会費4000円程度

参加希望者は、本サイトの「お問い合わせ」から、「氏名、所属または職業、連絡先(メール、電話)、情報交換会の出欠」を記してお申し込み願います。申込締切は1月10日(水)です。

主催:岩手大学三陸復興・地域創生推進機構園芸振興班、岩手なつあかり研究会

「姫かりふ®」築地デビュー

2017年11月7日

田野畑村で作った姫かりふ®が築地のお店に並びました。
以下は,10月まで村の支援に携わり,今は築地に戻られた渡辺さんのコメントです。

「1回20〜30袋(2ケ入)の少量ではありますが、これまで2度出荷し両日、即完売。店舗側からはもっとくれ!と催促されています。本日3度目の品が到着していますが、これも完売の見込みです。
ポイントはやはり、かわいらしさと実用性。
見た目は勿論ですが、食べきりサイズというのが実は、かなりの高評価につながっているようです。都会の人(地方もですが…)は料理を面倒がって作らない、故に出来合い品(惣菜)が売れるとは良く言われますが、同時に(冷蔵庫等に)半端な料理や食材を残しておきたくないという人がとても増えているのですね」

姫かりふ®は岩手大学の登録商標です。使用をご希望の方は,当サイトの「お問い合わせ」ページにてご連絡ください。

店頭の姫かりふ(渡辺貴氏 写真提供)