7月6日、宮古市で生産したイチゴを盛岡市の洋菓子店に、岩手県北バスの106急行で運ぶ試みが始まりました。
夏に涼しい三陸沿岸は夏イチゴをはじめ、高品質の野菜栽培に適していますが、内陸の都市部へのの輸送が課題です。県内産のイチゴを使いたいという盛岡の洋菓子店タルトタタンに、沿岸の夏イチゴ生産者を紹介したものの、宅配が値上がりしたために、速く安く運ぶ手段に頭を痛めていました。宮古と盛岡間の路線バスに混載できないかと、岩手県北バスに打診したところ快諾を得ました。生産者が宮古営業所に保冷バッグに入れたイチゴを持ち込み、洋菓子店は店舗近くの停留所で受け取ります。保冷バッグと空箱は帰りの便で生産者に戻ります。7月16日から週3日の定期輸送を始め、収穫が終わる10月頃まで続けます。これまで夏は販売していなかったイチゴのショートケーキが店頭に並びます。
相対の取引だから生産者と実需者の双方に価格的なメリットがあるだけでなく、実需者のニーズに合わせて生産者が計画的な栽培をできること、一般市場経由に比べて鮮度の高い果実を入手できること、梱包材を節約できることなど、お互いに多くのメリットがあります。
こうした輸送手段を他の品目や他の地域間でも利用できれば、個性的な少量品目の販路が広がると期待されます。